市場取引には規律が必要

株式などが取り扱われる金融での市場取引では、市場に対する不透明感や不信感があらわれると、多くの市場参加者が取引を控えることになり、取引自体が成り立たなくなることになります。

こうしたことを防ぐためにも、市場取引には規律が必要とされており、多くの場合は規律は取引の参加者である投資家などによって行われるものがほとんどとなります。

例えば、わたしたちは銀行を身近に利用していますが、この銀行はわたしたちの預けた預金を利用しこれを企業などに貸し付けることによって利益を得ています。

しかし、この貸し付けなどの業務に不穏な動きがあり、銀行に預けた預金に対しての安全が守られなくなった場合には、預金者はお金を引き出すことで、その銀行から資金を撤退させ銀行に圧力がかかることになります。
こうした圧力によって、銀行の動きは常に起立を求められることになり、それが浄化作用となって、取引が安定的に保たれることになるのです。

また、この規律を政府などの規制に委ねた場合には、預金者の間に銀行に対する不安感が払拭されてしまうため、銀行の動きを監視し抑止する規律が働かなくなるために、銀行側の経営が行政の規制への対処のみになって緩くなってしまい、結果的に大きな破綻などを起こす場合もあります。

このような市場に対する参加者の動きは市場規律と呼ばれており、これが崩れてしまうと、市場取引は成り立たなくなってしまうのです。

株式取引などの投資で利用される取引では、特にこうした市場の参加者のモラルが問われるものとなっていて、また、より大きな利益を求めようと不公平な取引を行う参加者もいます。

証券取引では、先のような政府による規制として、証券取引等監視委員会という金融庁の組織があり、この監視委員会が様々な取引に対する不公平を取り締まっています。

例えば株式取引で、企業側の人間が市場にまだ発表されていない株価の変動に関わる重大な情報を特定の人間に知らせ、それを知って事前に株取引を行うインサイダー取引などは、株式市場の公平性を欠いた重大な行為となるため、こうしたことを調査し、摘発することを主としています。

また一方で、市場規律を強く行う自主規制の機関として、株式市場の取りまとめを行なっている証券取引所と証券業協会を、金融商品取引法での位置付けを行い、その自主規制機関として行うべき役割を規定しているのです。
証券取引所と証券業協会は、取引のルールを作り、これを監視して違反をしたものに対しては制裁を行うなどの対応をとって、市場取引の公正化と安定性を保っているのです。