証券取引等監視委員会という機関

市場取引とは、一定の取引ルールのもと、不特定多数の市場参加者がそれぞれの取引条件を提示し、売り手と買い手の双方補条件が合致した場合に売買取引が成立することを前提とし、大量の取引を高効率で行うものになります。

このような市場取引においては、その公正性と透明性を保つために、不正な取引や不公平な立場での取引が行われないように、市場参加者を守ることが必要とされます。

わたしたち投資家にとって、最も身近な市場取引市場は株式取引が行われている証券取引所になります。
証券取引所では、多くの投資家や企業投資家などが取引に参加していますが、この取引を円滑にし公平性のある市場を保つために、証券取引等監視委員会という機関が、金融庁に置かれています。

この証券取引等監視委員会は、市場の公正性と透明性を確保するために、市場のルールを監視し、金融商品取引業使者の検査などを行っています。

こうした市場などに対する検査や調査活動の結果、市場の相場を意図的に操作する行為や、企業内部者からの未公開情報に基づいた取引を行うインサイダー取引など、市場取引の公正性を欠くような法令違反があった場合には、これを罰するために行政処分などを勧告するほか、告発を行って刑事訴追を求めるなどし、不正に対して厳正な対処を行っているのです。

しかし、こうした証券取引等監視委員会の活動は、基本的には行われた不正な取引を調査し、それに不正が認められた場合に摘発することとなっているために、問題に対して素早い対処を行っているにもかかわらず、後手に回ってしまうという側面を持ち合わせています。

不正取引を未然に防ぐために、問題が起こりそうなケースを想定しての調査などを行っていても、証券取引所の動きは特に株券の電子化以降は、インターネットやスマートフォンなどのモバイル端末の普及とも相まって、加速度的な多様化、複雑化、高速化をみせており、また、その手口や手法なども様々に形を変えているために、こうした予防や抑止の活動が追い付かないという現状もあります。

また、このような対策を取っていたとしても、実際の取り締まりは不正行為が確認された後に行われるために、その問題によって引き起こされた市場に対する被害や、不安感の払拭などに対して、実に多くの時間と労力が必要になってしまうのです。

このようなことから、証券取引等監視委員会の不正行為への調査や取り締まりと同時に、市場参加者が自らモラルを守り、市場の公平性を保つことを考える必要があります。

また、こうした事を啓発する証券取引や証券取引業協会などの自主規制機関の活躍と、それを超えて不正を行うものを厳しく罰する証券取引等監視委員会の活動があってこそ、市場取引の公正性と透明性を保つことができるのです。